ハロモニ。「辻王vs加護王」
で。「ハロモニ。」メインコーナーは「辻希美＆加護亜依モーニング娘。卒業緊急企画・今までスタジオを盛り上げてくれた辻ちゃん加護ちゃんのために私たちが戦うわ・最後にたっぷり遊んでプレゼントを持ってってよスペシャル」（長っ！）と題して、モーニング娘。をコマに見立てた人間将棋企画でした。まぁ、結果はご存知の通り、
○加護王軍：８（タイムアウト）４：辻王軍●
というわけで、後半の王自らの出撃による４連勝もむなしく「辻王軍」の敗戦に終わったわけです。が、ここでは「どういう戦略を持てば『辻王軍』は勝てたのか（または有利に進められたのか）」をちょっくら検証してみたいと思います。
まず、はルールのおさらい。（番組でテロップで出てたものの引き写し）
- 抽選でメンバーを６名ずつ味方につけます。
- メンバーは「王」の指令でタテ・ヨコ・ナナメ１コマずつ進みます。（後進ＯＫ）*1
- 敵チームとかち合ったところでバトル!! 種目はマスに書かれた内容に従い、「？」は安倍のダーツにより決定します。
- 負けたメンバーは相手チームに寝返ります。（「王」が陣地内に配置する。）
- 「王」を負かすか、45分のタイムアップで味方の多かった方の勝ち。
- 勝った「王」にはプレゼントの選択権が与えられます。
テロップの内容を吟味すると、勝利条件に「相手側玉座の占拠」というのは無いんですね。なるほど、道理でガキさんが後半辻王陣地で手持ち無沙汰にしてたわけだ。ということは玉座防衛は無視できるわけですね。「相手王を倒す」か「（王を含めた）相手軍の全滅」だけを考えればいいわけです。
それから肝心の盤面（マス配置）。
┠→陣地 ┏━━┳━━┳━━┳━━┳━━┓ 五 ┃？？┃フリ┃腕ず┃尻ず┃パン┃ ┃？？┃スロ┃もう┃もう┃食い┃ ┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫ 四 ┃風船┃叩て┃？？┃フリ┃早押┃ ┃爆破┃被て┃？？┃スロ┃Quiz┃ ┏━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┓ 三┃玉 ┃パン┃尻ず┃早押┃腕ず┃叩て┃玉 ┃ ┃ 座┃食い┃もう┃Quiz┃もう┃被て┃ 座┃ ┗━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┛ 二 ┃早押┃腕ず┃尻ず┃？？┃風船┃ ┃Quiz┃もう┃もう┃？？┃爆破┃ ┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫ 一 ┃？？┃風船┃フリ┃パン┃叩て┃ ┃？？┃爆破┃スロ┃食い┃被て┃ ┗━━┻━━┻━━┻━━┻━━┛ １ ２ ３ ４ ５
いちおうマス目（種目）の説明をしておくと
- 叩て被て…Hey3でおなじみの「叩いて被ってジャンケンポン」
- フリスロ…バスケットボールの「フリースロー」サドンデス対決
- ？？？？…「頭の体操」「自分玉入れ」「つなひき」「ボール持ちゲーム」からダーツで決定
- 番組で使われたのは「頭の体操」（インスピレーションクイズ）と「自分玉入れ」（自分で背負った籠にお手玉を投げ入れるゲーム）のみ。「ボール持ちゲーム」はどんなゲームか不明。
抽選で選ばれた辻王軍は、飯田、矢口、紺野、亀井、道重、田中の６名。冷静に辻王軍（初期戦力）を分析してみると
- 飯田圭織（戦力予想）…「叩て被て」「フリスロ」などは未知数だが、「パン食い」「腕ずもう」「尻ずもう（思いっきり重心を下げるようにすれば）」あたりは戦力になりそう。また岡女期末テストＡクラスだけに「早押Quiz」には期待できる。
- （結果）…「腕ずもう」で藤本に勝つもその後は連戦疲労のためもあってか吉澤・辻に負ける。また「？」の「頭の体操」では手が出ず、「自分玉入れ」では要領の悪さが出てしまった。
- 矢口真里（戦力予想）…小身長・軽量級のため体力系には不安はあるが、敏捷性がキモになる「叩て被て」「風船爆破」に期待したい。また「早押Quiz」でも戦力と見て良さそう。
- （結果）期待した「叩て被て」「風船爆破」は３戦３敗とまったく良い所が出せなかったが、知力・知能系の「早押Quiz」「頭の体操」では２戦２勝。
- 紺野あさ美（戦力予想）…岡女期末テスト１位の才女だけに「早押Quiz」で戦力視すべきか。体力・運動系も、突出するものはないがトータルバランスが良いので相手を見て使いたいところ。「パン食い」は食い意地に期待。
- （結果）満を持して「早押Quiz」に投入も、藤本の早押しの速さに敗れ去る。対戦したのはこの１回のみ。
- 純６期メンバー３名（戦力予想）…岡女体育祭などを見ても、体力・運動系には期待しづらく、年齢的な面でも「早押Quiz」に投入するのがためらわれる。強いて田中の負けん気の強さに期待できる程度か。
- （結果）亀井は「フリスロ」で吉澤を下す大金星をあげた（まぐれ？）が、「早押Quiz」で２敗。田中は「叩て被て」で１勝、「クイズ」で１敗。道重は「パン食い」「尻ずもう」でそれぞれ敗戦、勝ち星なし。
……なるほど、確かに辻王が「（勝つ自信は）あんまり無いですぅ…」というのも頷ける。安定して勝ちを拾える戦力が少ない。体力・運動系に優れる藤本・吉澤・小川といったあたりが加護王軍にあるのも痛い。しかし、大きな見落としがここにあるのです。「戦力」としての「辻王」。
- 辻希美王（戦力予想）…「腕ずもう」は無敵を誇る。唯一の心配は連戦疲労だが、疲労を与えられるのは吉澤・藤本・飯田ぐらいなものだろう。「尻ずもう」は以前加護王に敗れたことはあるものの、きちんと重心を落とすことを心がければ、怖いのは吉澤・小川ぐらいか。「叩て被て」は時の運*2だが、「風船爆破」は強いほうと見られる。小身長と不器用のため「パン食い」は近寄らないほうが無難。「早押Quiz」はもってのほか。「？？」はギャンブル、避けられるなら避けるが吉。
- （結果）「腕ずもう」で石川・飯田を軽くひねり、「尻ずもう」で道重を大きく吹き飛ばす。緒戦となった「叩て被て」は矢口に辛勝。
こうして見ると、安定した結果を残せる戦力は実は辻王唯一人である。大きな穴となる種目やギャンブル種目はあるものの、絶対的な自信のある種目があるのが強みであり、「腕ずもう」のマスはほぼ安全地帯と化す。ここで盤面を見返すと、玉座の目前の「叩て被て」（三５）を乗り越えれば「腕ずもう」と「尻ずもう」の王道（ロイヤルロード）が敷かれていることに気づく。となると、「叩て被て」での危険を冒す前にその先にある「腕ずもう」（三４）のマスに辻王を呼び込むのが最善手となろう。したがって初期配置は「玉座の前面はいつでも辻王が通れるように開けておくべし」となる。これでは守備が手薄に見えるが、玉座を守護する必要はないのだ。もちろん、辻王が負ければそこでゲームセットなので「腕ずもう」から先に無理に進む必要はない。そこに留まっていさえすれば「王の戦死」による敗戦の確率はぐっと減る。無論、戦況次第では「尻ずもう」（二３）などに進んで加護王軍にプレッシャーをかけるのも良いだろう。
しかし、「腕ずもう」で無敵を誇る辻王といえど、連戦に次ぐ連戦では疲労のために負けてしまうこともありうる。当然、親衛隊を組んで辻王を守護しなければならない。そのための残る６人の配置だが、まず「早押Quiz」（三３）に紺野を置きたい。実践では藤本に負けたが、これは後手・辻王軍が当てたものである。もし先に「早押Quiz」マスに紺野がいる状態であったら、加護王軍としてはバトルにいくのを多少躊躇する（かも知れない）という効果はあろう。初期配置は「フリスロ」（四４）を推す。
紺野を補佐するものとして、次に飯田・矢口を考える。飯田は「フリスロ」（四４）に置きたい。「尻ずもう」（二３）も考えたが、やはり重心が低くないので不安が残る。「フリスロ」にしても未知数ではあるが、その長身でプレッシャーを与えられるだろう。初期配置は「早押Quiz」（四５）。矢口は紺野が敗れた場合に「早押Quiz」（三３）に行けるように「？」（二４）に置くのが無難か。「尻ずもう」（二３）では重心はともかく軽量なので荷が勝ちすぎるだろう。初期配置は同じく「？」（二４）。
最後に純６期だが、「尻ずもう」（二３）に上背のある道重を（実戦で辻王に負けたが）プレッシャーとして置きたいので、初期配置は「パン食い」（一４）。田中はその負けん気は「叩て被て」「風船爆破」あたりで活きそうなので、初期配置は「風船爆破」（二５）。戦況次第で「？」（二４）に出すことにもなるだろう。残る亀井は「？」（四３）を埋めるべく、初期配置は「尻ずもう」（五４）に。
以上をまとめると初期配置はこのようになる。
（私が推す初期配置） （実際の初期配置） ┳━━┳━━┓ ┳━━┳━━┓ ┃亀井┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ╋━━╋━━┫ ╋━━╋━━┫ ┃紺野┃飯田┃ ┃田中┃亀井┃ ╋━━╋━━╋━━┓ ╋━━╋━━╋━━┓ ┃ ┃ ┃ 辻 ┃ ┃飯田┃紺野┃ 辻 ┃ ╋━━╋━━╋━━┛ ╋━━╋━━╋━━┛ ┃矢口┃田中┃ ┃矢口┃道重┃ ╋━━╋━━┫ ╋━━╋━━┫ ┃道重┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┻━━┻━━┛ ┻━━┻━━┛
実際には加護王軍先手なので相手の出方次第という部分はあるものの、この後は三３紺野、四３亀井、三５辻、三４辻、四４飯田と動かしたい。あとは基本「待ち」戦法で行く。とにかく「三４に辻王をなるべく早く引き入れること」と「辻王への負担をなるべく減らすこと」を考えたい。
実際には「勝負は時の運」なわけですが、たまにはこうして「ハロモニ。」ゲームを戦略的に考えるのも面白いな、ということで。まぁ、誰しもが思った「なんだ、辻ちゃんを腕ずもうのマスに置いとけば良いだけじゃん」を長々と回りくどく書いて、それに多少肉付けしただけ、とも言いますが（ｗ。
「ハロモニ。」スタッフへ。二人の「最後」のゲームにこの企画を用意してくれてありがとう。あいぼんさんは「娘。を独り占めにした気分」になれたし、ののたんは自分の見せ場を存分に作れたし、最高の送り出し企画だったと思います。
